IRAFは画像解析ソフトウエアです。したがって、人間さまには(おそらく)読めな いであろう画像ファイルを読んだり測ったり計算したりしてくれます。しかしプ ロセスはともかく、せめて元画像や結果画像だけでも見たい。 当然ですよね。その前に重要なことですが、画像を表示する画像ウインドウは同 じホストマシンで複数の人が同時に開くことはできません。誰か他の人が使って ないかどうか確かめてみて下さい(9.1.3 リダイレクトとパイプを参照して下さ い)。もし誰か使っていたら、IRAFを知っている人にどうすればよいかを相談し ましょう。確認がすんだら、いよいよ画像を表示させます。別のターミナルを立 ち上げ、そこで
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としてみて下さい。きっと、見たこともない窓が飛んで来るでしょう。 ここではこの窓を画像ウインドウと名付けることにします。 IRAFを立ち上げたxgtermに戻って、プロンプトの後に ``display dev$pix 1'' とします(この最後の 1については 6.2 私の出会ったタスクたちを参照して下さ い)。
cl> disp dev$pix 1 |
不思議なことに、なにやら渦巻いたものが表示されているはずです。この画像は サンプル画像ですから、あなたの記憶にない画像でも心配しないで下さい。 決して惚けたわけではありません6。 ところでパッケージやタスクを実際に使うためには、あらかじめそれを読み込ん でおかなくてはならないことを先ほど述べました。しかしものによっては、IRAF の世界へやって来ると同時に読み込まれているようなタスクやパッケージもあり ます。例えばこの displayなどがそうです。
では、しばらく遊んでみましょう。まず、画像ウインドウの上部にコンソールパ
ネルみたいなものが付いています。ここでは一つ一つを説明することはしません。
壊れることはまずないので、やりたいようにパネルをいじくりまわして下さい。
きっとあなたの想像以上のことは起きません。Colorは色を変えそうで実際その
通りですし、Zoomは画像の拡大や縮小なんかを司るところらしい…といった具合
です。
ところでこのサンプル、しばらくみとれてしまうぐらい綺麗な絵ですね。どうですか、
そろそろ感動が不安に変わるころでしょうか。 ``だから何?'' という気持ちになってきましたね。
今まで簡単に、画像の解析と一言で言って来ましたが一体何をするのでしょう?
ある人は、得られた画像から明るさを測りたいかもしれません。別のある人は、スペクトルについて
解析したいかもしれません。さらに、画像を足し合わせたり引いたりしたいかもしれません。
このように、具体的に ``何をしたい'' という目的を持って初めてソフトウエアを活かせます。
``何を知りたいからデータを解析するのか''
これを明確にするのは計算機ではなく、あなたです。そのためのタスクがきっとIRAF
にはあるでしょう。一つ具体的にやってみます。