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明るさを測る

試みに、サンプル画像の明るさを測ってみましょう。明るさを測るタスクは ``phot'' といいます。ここでは すでに、saoimageやximtoolなどに画像=dev$pixが表示されているとします。
目的:明るさを測る。
タスク:phot

cl> phot
ERROR: task `phot' not found

いきなり終わってしまいました。どうやらエラーらしいです。おまけに ``そんなタスクは見つからない''などとぬかしています。計算機とは なんと不愉快なものなのでしょう。はっきりいって生意気です。
少し冷静さを取り戻して考えましょう。なぜこういうことになったのでしょうか。 このような時一番考えられるのは、 ``そのタスクの入ったパッケージをロードしていない'' ということです。(注意:IRAFのバージョンによっては含まれていないタスクがあったりします。 詳しいことは熟練者に尋ねて下さい。)こういうことは、比較的よくあるアクシデントです。 後の章で、あるタスクがどのパッケージに含まれるかの調べ方を軽くお話しします。とりあえず今は それを知っているものとして、 ``ロード'' していきます。

      dataio.     language.   obsolete.   softools.   system.     
      dbms.       lists.      plot.       spiral.     tables.     
      images.     noao.       proto.      stsdas.     utilities.

ロードするには、ここに出ているパッケージ名を打ち込んで下さい。 ここでは、noao を開けます。すると、以下のようになります。

cl> noao
      artdata.      digiphot.     nobsolete.    onedspec.     
      astcat.       focas.        nproto.       rv.           
      astrometry.   imred.        observatory   surfphot.     
      astutil.      mtlocal.      obsutil.      twodspec.     
no>

ここでよく見ると、digiphot. のように ``.'' が付いているものとobservatoryのように 付いていないものがあります。observatoryは、タスクだということがわかりますね。 ところで、まだphotは見つかりません。次はなんとなく名前の似ているdigiphotを 開いて見ましょう。

no> digiphot
      apphot.   daophot.  photcal.  ptools.   
di> apphot
      aptest        findpars@     pconvert      polymark      psort
      center        fitpsf        pdump         polypars@     qphot
      centerpars@   fitsky        pexamine      polyphot      radprof
      daofind       fitskypars@   phot          prenumber     wphot
      datapars@     pcalc         photpars@     pselect       
ap>

さて、掘って掘って掘りまくりですね。お蔭でやっと見つけました、photでござ います。 @なんかが目に入ってしまった方はいらっしゃいますか? お目が高いですね、ここではよくわからないから無視して下さい。
ではこれをどうするか? とりあえずやってみましょう。

ap> phot
Input image(s):
また、思うように行きません。かなり悲しくなってきます。しかし 落ち着いてよく読むと、 ``どの画像だよ?'' と聞いてるだけです。 ここでは、表示した画像と同じdev$pixを入れてみましょう。

ap> phot
Input image(s): dev$pix

すると、見慣れたdev$pixの画像上に小さな丸いカーソルが出来ます。 このカーソルを測りたい場所に合わせて、スペースを叩いて下さい。

Warning: Graphics overlay not available for display device.
dev$pix    251.48   273.62  435.5197   14.840  err

こんな感じの文章が出て来たら、画像ウインドウの上で ``q'' と叩いてみて下さい。 xgtermにごちゃごちゃした文字が浮かんできます。この時の``q''で画像ウインドウから xgtermにカーソルが移ります。

[Hit return to continue, n next image, q quit, w quit and  save parameters]

なんだかよくわからないけど、とりあえず ``q'' を叩いてみて下さい。photを 終えることになります。プロンプトが帰って来ると同時に、今あなたがいるディ レクトリにpix.mag.1というファイルが生成されているはずです。 ここに測定(測光という)データが目一杯入っています。あなたが欲しいデータは きっとこの中にあります。とてもとても膨大な(しかし機械にとっては大したこ とのない)量のデータがありますので、自分がなにを欲しかったのか見失わない ようにして下さい。

ここで、プロンプトのうしろにタスク名を入れた後、画像ファイル名を入れまし た。このように、コマンドやタスク名のあとに入れるものを引数(ひきすう)と言 います。例えば、``photは、引数として画像ファイル名をとります'' などとい う表現をします。 IRAFに限らず、UNIXのコマンドにも引数をもつものがあり、無くては動かないコ マンドやあってはいけないコマンドもあります。まるで英語の他動詞と自動詞み たいですね。

さて、賢明な皆さんは今ごろ大混乱でしょう。一体どの範囲をどうやって測った んだ?…など。そうなんです。photに限らず、ほとんど全てのタスクにはパラメー タが付いてます。例えばphotの測光半径を決めるパラメータをいじれば、測光範 囲を変えられます。パラメータを変えることによって、データに適した形でタス クを実行することができます。 次の章ではちょっとそんな話をしてみましょう。



HAMABE Masaru 平成15年11月27日