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Coffee Break

これでIRAFに関してのお話しは終りです。お疲れ様でした。少ししょうもない話 をしましょう。

私は本当に計算機が嫌いでした。今でも決して好きではありません。大学に入学 し強制的にワークステーションに触らせられるまでは、ファ○リーコンピュータ 以外のコンピュータと面識がなく、最後に触ったキーボードはフ○ミリーベー シック(こんなのご存知ですか?)という有り様でした。ところが、そんな私に大 転機が訪れます。どういう訳だか、私は国立天文台にもぐり込んで卒業研究を することになりました。自ら望んだこととはいえ、私にとってそれはそれは恐 ろしい世界でした。なにをやるにしても計算機に頭を下げなくてはならないの です。しかも、やらないことには卒業できなくなってしまいます。ああ、なん たる悲劇!! 正直いって人生で6番目ぐらいの危機でした。七夕の短 冊に ``コンピュータが僕のいうことをききますように'' って書いたぐらいで す26

それでも時間は無情にも流れていきます。止まってくれません。学会は目前です。 もう藁をも掴むつもりで掴んだものは、計算機との親密な関係を雰囲気で醸し 出す2人の先輩でした。彼らは偉大でした。 あいかわらず全くプログラミング言語を1つも知らない私に、プログラムを書い てくれたりします。もう仏のようです。右も左もわからない私に、 ``まあ、マ ニュアル読んで'' の一言を言い渡しいなくなってしまいます。もう鬼にしか見 えません。 時計を見ながら泣きたくなる時もあります。そうこうしているうちに、気が付け ばずいぶん計算機に慣れてしまっていました。 驚いたのは私です。 ``一体どうしちゃったのかしらん?'' そしてこのマニュア ルが生まれました。

``この1年間に身につけたことを、去年の僕にプレゼントしよう''

こんなコンセプトのもと、こんなマニュアルを思い付きで書き始めてしまいまし た。計算機嫌いのみなさまは、IRAF という暗闇を歩く時きっと不安を感じるこ とでしょう。そんな方々にとってこのマニュアルが、 ``懐中電灯がみつかるま でのロウソク'' になってくれたらと思っています。



HAMABE Masaru 平成15年11月27日