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1歩1歩確実に…

いよいよ独り立ちです。今あなたは次のようなデータを持っているとします。

cl> ls
bias0.fits  bias5.fits  flat4.fits  obj0.fits  obj5.fits
bias1.fits  flat0.fits  flat5.fits  obj1.fits  obj6.fits
bias2.fits  flat1.fits  flat6.fits  obj2.fits  obj7.fits
bias3.fits  flat2.fits  flat7.fits  obj3.fits  obj8.fits
bias4.fits  flat3.fits  flat8.fits  obj4.fits  obj9.fits

まず、バイアスの平均値を作りましょう。リストを作ってみましょうか。その後 imcombine を行います。 パラメータは average にしておいたとします。

cl> files bias?.fits > bias.list
cl> imcombine @bias.list bias.fits

こうして、複数のバイアスフレームをコンバインして、データの質を高めたバイ アスフレームが1枚出来ました。

さて、これを他の全てのフレームから引きます。またリストを作りましょうか。 その後引き算します。

cl> files obj?.fits > obj.list
cl> files flat?.fits > flat.list
cl> files %obj%obj_b%?.fits > obj_b.fits
cl> files %flat%flat_b%?.fits > flat_b.fits
cl> imarith @obj.list - bias.fits @obj_b.list
cl> imarith @flat.list - bias.fits @flat_b.fits

ここまでで、オブジェクトからもフラットからもバイアスを引くことが出来ました。その結果は、それぞれ obj_b.list と flat_b.fits で定められた名前で生成されているはずです。 さて、フラットを1枚にまとめてみましょう。今度はちょっと枚数が多いので、 メジアンをとってみましょうか。 いちいち epar をするのも面倒なので、一時的にパラメータを変更します 22

次のようにしてみて下さい。

cl> imcombine @flat_b.fits flat.fits combine=median

さて、このままオブジェクトを割るとえらいことになります。フラットのカウン ト値にもよりますが、オブジェクトフレームのカウント値が異常に小さくなって しまいます。そこで、このフレームが感度ムラのみを表すような規格化をしましょ う23。そのために、こ のフレームのカウント値を見てみます。

cl> imstat flat.fits
#               IMAGE      NPIX      MEAN    STDDEV       MIN       MAX
            flat.fits   4190209    24224.     2179.        0.    65469.

カウントの平均値は 24224 だということがわかりました。これで割ってみましょう。

cl> imarith flat.fits / 24224 nflat.fits
cl> imstat nflat.fits
#               IMAGE      NPIX      MEAN    STDDEV       MIN       MAX
           nflat.fits   4190209        1.   0.08995        0.     2.703
ようやく、規格化されたフラットができました。これでオブジェクトを割ってや れば、 ``ノイズを引いて、感度ムラを補正したオブジェクトフレーム'' を得ら れますね。おっとっと、最後に得られるフレームの名前のリストを作っておきま しょう。

cl> files %obj%reduc%?.fits > reduc.list
cl> imarith @obj_b.list / nflat.fits @reduc.list

こうして、リダクションを終えました。きれいな画像が出来ているはずです。



HAMABE Masaru 平成15年11月27日