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imarith

画像の計算をします。これだけではなにがなんだかわかりませんね。どのような 時に画像を計算したくなるのかについて、簡単に触れておきましょう。あなたが CCDを用いて取得した画像データがあるとします。そしてそこには何か目的のも の(つまりオブジェクト)、例えばdev$pixなら銀河が写っているとします。しか し何もしなければ、このフレームには熱雑音やバイアスなどがいっしょに写って いることになりますね。13そこでこの画像 から、例えばバイアスだけが含まれるようなフレームを引きたいとします。 オブジェクトフレームを obj.fits 、バイアスフレームを bias.fits、その結果 を result.fits とする時、

cl> imarith obj.fits - bias.fits result.fits

としてください。result.fits というファイルが生成されているはずです。ちな みに演算子は、+ - * /の基本的な4つです。他にもありますが、詳しくは phelp をどうぞ。 ここでは、obj.fits の各ピクセルのカウント値から bias.fits の各ピクセルの カウント値を引いています。他の演算でもおなじです。これは画像どうしの計算 でしたが、画像と数を計算することもできます。例えばあるオブジェクトについ て、露出した時間(つまり積分時間)を一定にしないことには複数の画像を比較で きません。そこで、露出時間が600秒のフレームを obj1.fits、240秒のフレーム を obj2.fits とする時、obj2.fits を obj1.fits にそろえたければ次のように します。

cl> imarith obj2.fits * 2.5 result1.fits

こうして生成された result1.fits というフレームは、それぞれのカウント値が 2.5倍されています。 同じように、必要に応じて各種の演算を行ってみて下さい。また、imarith も含 めたいくつかのタスクはリストを使うことができます。具体的なファイル名の代 わりに、リストを書き込んだファイルをタスクに入れてみましょう。

cl> imarith @obj.list - bias.fits @result.list

として下さい。ここで ``ほにゃらら.list'' の前に ``@'' を付けておくこと で、そのファイルの中に書いてあるファイルを演算処理してもらえます。ただし、 リストの中に書いてあるファイルは、カレントディレクトリ(→ 9.1.1 ディレク トリ)に置いてあるか、リストの中で相対パス(→9.1.2 パス)を用いて指定する 必要があります。詳しくは、files を見てみて下さい。



HAMABE Masaru 平成15年11月27日