(apertur= 3) List of aperture radii in scale units |
を書き換えることにします。一体何をしているのでしょうか?4章でできた
pix.mag.1は、apertur=3でできたファイルでした。
また少しウンチク(インチキではない…と思う)をたれましょう。これは、アパー
チャと呼ばれるパラメータです。口径とか直径とかいう意味があったと(自信あ
りませんが)記憶しています。
しかしここでは測光 ``半径'' を示しています。単位はピクセルです。ピクセル
という言葉を初めて目にする方もいらっしゃいますよね? これは、
CCDカメラの画素のことです。ちょっと前の話ですが世の中がデジカメ、デジカ
メ大騒ぎだった頃、電車の吊革広告なんかのメーカーのうたい文句に
``史上初! 56万画素を実現''
なんて書いてあって、そのとなりにライバルメーカーの広告で
``デジタルカメラとは思えない滑らかな画像。業界初の100万画素を達成!''
なんて書いてあったりして、何がなんだかわからなかった画素ってやつです。誤
解をおそれずに大雑把な表現をすれば、CCDのチップとはフィルムの代わりに用
いる感光素子のことで、小さな小さな方形素子を縦横に並べたものです。photで
得られる測光データはこの ``小さな小さな方形素子がそれぞれ受光した量に応
じた数字''で明るさを表現しています。ここでCCDを構成する ``小さな小さな方
形素子9'' をピクセル(つまり画素)、 ``受光した量に応じた
数字'' をカウント値といいます。
したがってここで測られる明るさは、 ``あるx,y座標から半径 r[ピクセル]以内
のカウント値の合計'' と言えますね。
さて測光結果を示してみましょう。xgterm などのターミナルで more や less
や cat で覗いてみます。
#K IRAF = NOAO/IRAFV2.12EXPORT version %-23s #K USER = mhamabe name %-23s #K HOST = hydra computer %-23s #K DATE = 2002-06-01 yyy-mm-dd %-23s #K TIME = 16:30:45 hh:mm:ss %-23s #K PACKAGE = apphot name %-23s #K TASK = phot name %-23s # … |
このファイルの由来が書いてあります。 この後いろいろ難しいことが書いてありますが、最後まで見てみると、
… #N IMAGE XINIT YINIT ID COORDS LID \ #U imagename pixels pixels ## filename ## \ #F %-23s %-10.3f %-10.3f %-6d %-23s %-6d # #N XCENTER YCENTER XSHIFT YSHIFT XERR YERR CIER CERROR \ #U pixels pixels pixels pixels pixels pixels ## cerrors \ #F %-14.3f %-11.3f %-8.3f %-8.3f %-8.3f %-15.3f %-5d %-9s # #N MSKY STDEV SSKEW NSKY NSREJ SIER SERROR \ #U counts counts counts npix npix ## serrors \ #F %-18.7g %-15.7g %-15.7g %-7d %-9d %-5d %-9s # #N ITIME XAIRMASS IFILTER OTIME \ #U timeunit number name timeunit \ #F %-18.7g %-15.7g %-23s %-23s # #N RAPERT SUM AREA FLUX MAG MERR PIER PERROR \ #U scale counts pixels counts mag mag ## perrors \ #F %-12.2f %-14.7g %-11.7g %-14.7g %-7.3f %-6.3f %-5d %-9s # pix 258.000 259.000 1 nullfile 0 \ 257.754 258.928 -0.246 -0.072 0.005 0.006 0 NoError \ 817.8819 155.6405 38.32154 940 6 0 NoError \ 1. INDEF INDEF INDEF \ 3.00 115774.3 28.58008 92399.2 12.586 0.011 0 NoError |
pix 258.000 259.000 1 nullfile 0 \ |
どうやらこのあたりが カーソルで指定した, 座標っぽいです。下にもちょっ とずれた数字がありますが、きっと似たようものでしょう11。 そして最終行に
3.00 115774.3 28.58008 92399.2 12.586 0.011 0 NoError |
こうあります。きっと一番左がアパーチャサイズ、その次がカウントの合計でしょ う。つまり、今欲しかったデータです。他の数字については割愛します。phelp を読んだり、熟練者を呼んだりして下さい。 次に、アパーチャサイズを変えます。再びeparでphotparsまで戻り、値を思い切っ て清水の舞台から飛び降りるつもりで15ぐらい(…スケールの小さい話ですね)に してみましょう。
(apertur= 15) List of aperture radii in scale units |
このように apertur のパラメータを変えた後、
ap>phot dev$pix |
と、phot を再び実行します。今度は図3(p.18)のようなウインドウが現れます。 また生成されたファイルを覗いてみます。ファイル名は pix.mag.2 のはずです。
pix 258.000 259.000 1 nullfile 0 \ 257.754 258.928 -0.246 -0.072 0.005 0.006 0 NoError \ 817.8819 155.6405 38.32154 940 6 0 NoError \ 1. INDEF INDEF INDEF \ 15.00 853558.6 707.012 275306.3 11.400 0.022 0 NoError |
期待した通り値が変わっています。こうして、パラメータを変えられるようになりました。 他のタスクでも同様です。phelp を見ても解らなかったら、とりあえずいじりまくってみる というのも手段の一つですね。実際の振る舞いを見て解る時の方が多い人も少なくないでしょう。 その結果もし、取り返しのつかないくらいいじくりまくってしまった場合には、 unlearnというコマンドで、タスクのパラメータを元(デフォールト)に戻すことができます。
ただし、今の例の場合は、実は2つのタスクが関わっているので、以下のようにする必 要があります。 =15pt
unlearn phot unlearn photpars |