Cygwin (URLはhttp://www.cygwin.com/)を一言で言えば Windows上のUNIX 環境である。もう少し具体的に言えば、GNUの開発ツールをWin32環境に移植した ものである。
CygwinはもともとCygnus Solutions社が始めたプロジェクトであり、初期のもの はDOSの上で使えるUNIXツール群という意味あいのものであった。私自身は、 UNIXの上でよく使うlsあるいはcpといったUNIXのコマンドをDOSの上で使うため のツールとして使い始めたように記憶している。Cygnus Solutions社は後にRedHat Linux で知られるRed Hat社に吸収合併され、Cygwinプロジェクトも現在ではRed Hat社に より引き継がれている。CygwinはCygnus Solutionsが開発していた頃から現在に 至るまでフリーソフトとして配布されている。
Cygwinの初期のバージョンでは、ごく限られたUNIX的コマンド(GNUツール)が使 えるだけであったが、現在ではかなりの量のツールが移植されている。その主な ものをあげると、gcc等のコンパイラ、bash、tcsh等のシェル、emacsあるいはvi といったUNIXの代表的なエディタ、さらにはOpenSSH等のツール、代表的なフリー のデータベース管理ソフト(RDBMS)であるPostgreSQL1などがある。また、最近X11R6のIntel版であるXFree862も使えるようになった。