私が最初に躓いた考え方です。正直なところ現在でも正確に認識している自信が
ありません。
よく言われる表現は ``タンスの引出し'' です。なんでも突っ込んでおけます。
例えば文章を書いたファイルやプログラム、数字を並べただけのリストなどを、
いろいろ無造作に置いてあるおもちゃ箱みたいなものですね。
この箱を ``ディレクトリ'' と呼びます。
特にあなたが login した直後に入っている ``引出し'' のことを
``ホームディレクトリ'' と呼びます。
ただしこのまま放っておくと、なにがなんだかわからなくなってしまいますよね。
複数の作業を同時に行っている時などは致命的に混乱が生じる時があります。
そこでこの ``引出し'' を整理してみましょう。整理の仕方は人によって好みが
ありますが、作業ごとに作成されたファイルをまとめて一つの新しい引出しに
入れてみます。こうすると ``引出しの中に新しい引出し'' ができますね。
こうして出来た ``引出し'' に作成されたファイルを突っ込んでおくと少しさっ
ぱりします。
実際にやってみましょう。今、ホームディレクトリにいるとします。ここで ``ls'' と打つと、 このディレクトリの中のファイルをモニターに表示してくれ ます。
nursefan% ls list1.list list3.list sample2.f sample4.pl text2 list2.list sample1.c sample3.pl text1 text3 |
ここでさっきの例に従い、作業1、作業2、作業3で使ってるファイルをまとめてみます。 新しくディレクトリを作成してから、lsで見てみましょう。
nursefan% mkdir work1 nursefan% ls list1.list list3.list sample2.f sample4.pl text2 work1 list2.list sample1.c sample3.pl text1 text3 |
work1というディレクトリが作成されています。それではさっそく放りこんでみます。
nursefan% mv list1.list work1 nursefan% mv sample1.c work1 nursefan% mv text1 work1 nursefan% ls list2.list sample2.f sample4.pl text3 list3.list sample3.pl text2 work1 |
list1.listなどがなくなってしまいました。では、今いるディレクトリから work1に ``入って'' 調べてみましょう。ディレクトリを移動するコマンドは cd です。
nursefan% cd work1 work1% ls list1.list sample1.c text1 |
ちゃんとありましたね。このようにしてまとめていくと、だいぶディレクトリが 整理されます27。 ところで言葉の話ですが、あなたが ``現在いるディレクトリ'' を ``カレント ディレクトリ'' といいます。直前の例では、カレントディレクトリ=work1です。 この先いろいろなコマンドを憶えて、それらをそれなりに使いこんでいくと ``カレントディレクトリ'' と ``その一つ上のディレクトリ'' 、そしてホーム ディレクトリというのが結構頻繁に必要になってきます。 ``で?'' と言われてしまいそうですね。もう少しの辛抱です。そこでなにかのコ マンドを使う際に、引数としてこれらのディレクトリを取る時、カレントディレ クトリを ``.'' 、その一つ上のディレクトリを ``..'' 、ホームディレクトリ を ``'' で省略して表現します。これは憶えておくと便利です。