SPIRALの使い方

清水 恒子、浜部 勝 (日本女子大学 理学部 数物科学科)

この文書は w3m を使って見ると読みやすいように作成しています。


目次


SPIRAL main package

mainパッケージは、整約解析処理のための基本的なタスク群である。

     タスク名  機能
     ---------+----------------------------------------------------
     APINTEG   簡易開口測光
     BADPIX    画像中の欠陥画素等を補正する
     BANDLIST   カラーバンドにより画像を分類する
     BIASLIST   バイアスデータとそれ以外を分類する
     CMAP      2色の画像の除算により色分布を求める
     IMGDISP   簡易画像表示ルーチン
     IMREGIST  2枚の画像の位置合わせをする
     SKYSUB    背景光補正を行なう
     SMOOTH    画像の平滑化をする
     UNITMAG   開口測光データを用いて輝度の0点を決める

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---------------------------------------------------------------------------

APINTEG

     -- 簡単な開口測光(aperture photometry)を行なう

[使用法]
apinteg image

[パラメータ]

[説明]
非常に単純な開口測光を行うものです。(多くの場合は、apphot等を使った方が
良いかも知れません)

[例]

[バグあるいは制限]

[参照あるいは比較すべきプログラム]
noao.digiphot.apphot

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--------------------------------------------------------------------------------

BADPIX

     -- 画像の中の細長い欠陥領域を周囲の画素からの補間により修正する

[使用法]
badpix oldimage newimage

[パラメータ]

[説明]
画像中に縦長あるいは横長の欠陥領域があった場合に、これを周囲の画素からの
補間で埋めて修復します。(ある程度細長い領域を想定しています)

arealistファイルの形式
	IS	IE	JS	JE
	と、1行に1箇所の欠陥領域(縦長)をI,J(横縦)座標で指定する
	(この場合 欠陥領域は IS <= I <= IE、 JS <= J <= JE の領域)

[例]

[バグあるいは制限]

[参照あるいは比較すべきプログラム]

目次へ

--------------------------------------------------------------------------------

BANDLIST

     -- バイアスを差し引いた画像を、カラーバンドにより分類する

[使用法]
bandlist

[パラメータ]

[説明]
画像ファイルのヘッダーから画像データの種類(OBJECT)とカラーバンドを
読み込み、その2つから画像ファイルを分類し、リストを作成します。
デフォルトでは、flat画像のデータはflatに、それ以外のデータはobjectに
分類されることになっています。
また、objectに分類されたファイルについては、ファイルの名前を(ファイル名)_bs
から(ファイル名)_ffに変更したものが作成され、それらはobjectffという
リストに格納されます。
これは、object内にあるファイルを平滑化 (flat-fielding) した際に出力する
ためのファイルとして使用することができます。

[例]
画像データの種類(OBJECTの値)はFLATであるもの (flat) とそれ以外(object)、
フィルターはB、V、Rの3つに分類する場合、以下の9つのリストが作成され、
画像データが分類されます。

表1 bandlist
リスト名 リスト内のファイル名
flatB.list (ファイル名)_bs
flatV.list
flatR.list
objectB.list (ファイル名※)_bs
objectV.list
objectR.list
objectffB.list (ファイル名※)_ff
objectffV.list
objectffR.list

[バグあるいは制限]

[参照あるいは比較すべきプログラム]

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--------------------------------------------------------------------------------

BIASLIST

     -- バイアスデータのリストと、それ以外のデータのリストを作る

[使用法]
biaslist

[パラメータ]

[説明]
画像データのヘッダーを読み込み、バイアスのリストとそれ以外のリストを作
成します。また、バイアス以外のデータから、バイアスの値を引いた結果を出力
するためのファイルを作成し、そのリストも作成します。
バイアスの値を引くためには、IRAFのコマンドimarithを使用して下さい。

[例]
このプログラムで作成されるリストをまとめると、以下のようになります。

表2 biaslist
ファイルの種類 リスト名 ファイル名
BIAS bias.list (ファイル名)
BIAS以外 notbias.list (ファイル名)
(BIAS以外)-(BIAS) bsub.list (ファイル名)_bs

[バグあるいは制限]

[参照あるいは比較すべきプログラム]

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--------------------------------------------------------------------------------

CMAP

     -- 青い画像を赤い画像で割り算して色分布の画像を作成する

[使用法]
cmap blueimage redimage outimage

[パラメータ]

[説明]
基本的にはimarithで行えるような画素間の割り算を行いますが、S/Nの低い
部分は割り算を行わず、その部分にはFlag値として -999.0 を代入します。

[例]

[バグあるいは制限]

[参照あるいは比較すべきプログラム]
imarith

目次へ

--------------------------------------------------------------------------------

IMGDISP

     -- 画像をX-Windowを使って表示する

[使用法]
imgdisp image magscale

[パラメータ]

[説明]
SAOimage あるいは XImtoolのような画像表示ツールです。
簡単なツールですが、IRAF形式のファイルとFITS形式の画像を表示できます。

また、マウスあるいはキーボードの操作により以下のようなことができます。
(以下 [k]は表示された画像の上にマウスカーソルを置きキーボードの k を
押すことを示し、<L>、<M>、<R>はそれぞれマウスの左、中、右ボタンを
クリックすることを示すものとします)

 画像表示の色あるいはレベルの調整など
        [1]〜[7] + <R>  表示の色を変えます
        [z]             表示のレベル(z1, z2)を変えます
        [i] + <R>       色を反転させます
        [f] + <R>       コントラストと輝度を調整します
                        カーソルの x の位置により輝度を、y の位置により
			コントラストを調整します

        [<]             フレームを小さくします
        [>]             フレームを大きくします
        [/]             デフォルトのフレームサイズに戻します

        マウスによる操作は若干ややこしいのですが、画面下部のカラーバー
	をクリックすることでレベルが調整できます
        <M>             表示レベルを初期状態に戻す
        <L>             z1, z2の値を下げます
        <R>             z1, z2の値を上げます
                上記で、z1, z2のどちらが変わるかはカラーバー上の位置で
		決まります。すなわち、
                カラーバーの左半分      z1(下限)を変える
                カラーバーの右半分      z2(上限)を変える
                また変化量は、カラーバーの両端からの距離に比例します
        [r]             画像を再表示します。

 画像のハードコピー/GIFファイル作成
        [p]             imageが印刷されます
                        imgdisp.psというPostScriptファイルが作られ自動的に
			印刷されるはずです。
                        印刷されなかった場合はマニュアルで上記ファイルを
			印刷して下さい。
                        (カラーモードは[0]か[1]を使って下さい)
        [P]             profileが印刷されます
        [c]             [p]とほぼ同じですが、Color PostScriptになります
        [g]             GIFファイルが作成されます

 profile等の表示
        [x],[A],<L>     マウスカーソル位置のprofileを表示します(X-PLOT)
        [y],[D],<M>     マウスカーソル位置のprofileを表示します(Y-PLOT)
        [l] (エル)      続いて画面上の2点で<L>をクリックし最後に<R>を
                        クリックして下さい。最初の2点間のprofileを表示します
                        (最後に<R>が必要なことに注意)
        [v]             マウスカーソルの位置の座標と値をclの画面に表示します

 Zoom/Pan
        <+>             カーソル位置を中心に(できれば)ズームインします
        <->             カーソル位置を中心に(できれば)ズームアウトします
        <0>             初期状態に戻ります
        [space]         カーソル位置を中心にパンします

 HELPの表示
        [?]             キーとマウスボタンの使用法が表示されます
	
 終了
        [q]             画面上でqを押すとタスクが終了します

[例]

[バグあるいは制限]

[参照あるいは比較すべきプログラム]

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--------------------------------------------------------------------------------

IMREGIST

     -- 画像の位置合わせをする

[使用法]
imregist refimage vicimage outimage interactive refreg vicreg

[パラメータ]

[説明]
このプログラムは S-3500 版 spiral の REGISTD に対応するものです。
入力データとしては、IRAF形式の画像もFITS形式の画像も同様に使えます。

[例]

[バグあるいは制限]

[参照あるいは比較すべきプログラム] register

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--------------------------------------------------------------------------------

SKYSUB

     -- 背景光補正を行なう

[使用法]
skysub srcimages outimages order

[パラメータ]

[説明]
Flat-fielding (感度ムラ補正) を終えた画像から sky backgroundを評価して
これを差し引きます。
background は 5 次までの 2次元多項式で近似されます。background の曲面
fit は、銀河等の明るい天体の写っている領域(rejection area)以外の領域
で行います。
また、fitting は逐次近似的に5回(default)で行われ、fit から大きくはず
れた点(星の像など)は順次自動的にrejection region になっていきます。

rejection areas を対話的に決める場合は、画面表示にしたがって作業を行っ
て下さい。

予めds9 で rejection areas を選択した region ファイルを作成しておくと、
rejection areas を対話的に決めることなく sky-fitting を行うことができ
ます (
[補足] 参照 )。
ds9 で region ファイルを作成する場合、使用する region の形は box、circle、
ellipseの3つを利用することができます。
回転させた region も使用できます。

[例]

[バグあるいは制限]

[参照あるいは比較すべきプログラム]

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--------------------------------------------------------------------------------

SMOOTH

     -- 画像の(局所的な)平滑化を行う

[使用法]
smooth oldimages newimages

[パラメータ]

[説明]
平滑化のモードは4通りあります。

  1. Variable Gaussian beam
    Intensity を基準にして局所的な平滑化を施します。
    たとえばしきい値が H であれば、まず1画素毎に画素値を見ていき、
    もしも画素値が H 以上ならその値をその画素の値として採用します。
    また画素値が H より小さければ、その周りの画素の値を順に H に達す
    るまで加算していき、その全画素の値の平均値を中心の画素の値とします。
    従って、暗いところほどより平滑化されることになります。

  2. Gaussian beam
    ある大きさを持った一定の Gaussian ビームにより、画素全体を一様に
    平滑化します。

  3. Reduction smoothing
    まず隣接する画素の平均化により画素を小さくします(reduction)。次に
    メジアンフィルターをかけてその画素を平滑化します。
    ついで画素の再分割により画素を元の大きさに戻します。さらに
    Gaussian フィルターにより平滑化し最終的な画像を得ます。

  4. Median filter
    縦横に異なるパラメータを指定できる非等方なメジアンフィルターです。

入力ファイルの形式はIRAFかFITSに限りますが、そのどちらかは自動判別しま す。
また出力ファイルの形式は入力ファイルの形式と揃えられます。

[例]

[バグあるいは制限]
現在のところ対話的処理しか行えません。

[参照あるいは比較すべきプログラム]
median

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--------------------------------------------------------------------------------

UNITMAG

     -- 銀河の画像( sky-ubtracted )の絶対較正を行い等級のゼロ点を 決める

[使用法]
unitmag image xc yc color

[パラメータ]

[説明]
銀河の画像で中心からの半径を増して輝度を積分していくことによってできる
成長曲線と、複数の大きさのダイアフラ厶で光電測光をしたデータとを比較す
ることにより、画像の等級尺度のゼロ点を決定します。

光電測光データのカタログとしては、Longo et al. の UBV-magnitudes のカ
タログを用いることを標準とします。Longo et al. を持っていないときは、
spiral$Catalog にあるサンプルを参考にして同じ名前のデータベースを作る
こともできます。

成長曲線とカタログデータの比較の様子は display 上のグラフで確認でき、
不適当なデータを削除したりすることもできます。

求められる値は、画像中でピクセル値 1.0 に対応する等級です。

計算結果は、unitmag.prn というファイルにも出力されます。

[例]
Longo et al. のカタログを用いて NGC3379 の B バンドの画像(ファイル名
n3379.b)の絶対較正を行います。銀河中心の座標は xc=271, yc=270 である
とします。

   sp> unitmag n3379.b xc=271 yc=270 color="b"

sp> unitmag とだけ入力し、画面の案内に従ってデータを入力しても同様の結果
が得られます。

[バグあるいは制限]
interactive 処理が適切と思われますので、画像は1つずつ処理するものとし ます。

[参照あるいは比較すべきプログラム]
なし

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PROFS package

profsパッケージは、主として輝度プロフィルを計算したり、画面表示ないしは
プリンタに印刷するためのPostScriptファイルを作成するタスク群である。

     タスク名  機能
     ---------+----------------------------------------------------
     EQPROF    Equivalent profileを計算
     MMPROF    長短軸に沿ったprofileを計算
     PRFPLOT   profile (.prfファイル)を表示
     PROFIMG   画像からprofilesを計算
     VPLOT     VPROFの出力の表示
     VPROF     楕円fitによるprofileの計算

--------------------------------------------------------------------------------

EQPROF

     -- equivalent luminosity profile を作り、測光パラメータを求 める

[使用法]
eqprof image

[パラメータ]

[説明]
銀河の、いわゆる equivalent luminosity profile を作成し、その観測限界
の外への外挿によって、銀河の大局的構造をあらわす測光パラメータを抽出し ます。

プロファイルの外挿には、exponential 則、de Vaucouleurs 則が使えます。

求められた結果は、画像ファイル名の拡張子を.eqprfと変えたファイルに
書き出されます。

[例]

[バグあるいは制限]

[参照あるいは比較すべきプログラム]

目次へ

--------------------------------------------------------------------------------

MMPROF

     -- 銀河の長短軸に沿った輝度分布プロファイルを計算する

[使用法]
mmprof image profile x y angle radius

[パラメータ]

[説明]
銀河の長短軸に沿った輝度分布プロファイルを画像から抽出します。
求められたプロファイルはテーブルとしてファイル出力され、prfplotタスク
で表示して見ることができるようになります。

[例]

[バグあるいは制限]

[参照あるいは比較すべきプログラム]
spiral.profs.prfplot

目次へ

--------------------------------------------------------------------------------

PRFPLOT

     -- mmprof および profimg タスクの出力したプロファイルの
      テーブルを表示する

[使用法]
prfplot profile

[パラメータ]

[説明]
このタスクは mmprof および profimg タスクの出力したプロファイルのテー ブルを
グラフィック画面に表示します。いったん表示をした後、キーボードから
コマンドを与えることによって、表示を調整したり、あるいは PostScript
ファイルとして出力したりできます。
コマンドを入力することにより、以下のような操作ができます。

        [c]             記号の説明文を変更します
        [h]             ハードコピーを取ります
        [k]             プロットの種類を変更します
            ( 1 = 線形、2 = log、3 = r^(1/4) )
        [p]             再プロットを行います
        [q]       プログラムを終了します
    [x]             x軸の値を変更します
        [y]             y軸の値を変更します
        [*]             ガウス分布の星のプロファイルを描画します
        [.]             ドットの種類を変更します
              0 = ●    1 = ◯
              2 = ■    3 = □
              4 = x        5 = +
              6 = ▲    7 = △
              8 = *      9 = .
              -1 = _    -2 = _ _ _
              -3 = _._.   -4 = ....
              -5 = _... _...
            変更した後は、コマンド[p]を行ってください
        [?]             ヘルプを表示します

[例]

[バグあるいは制限]

[参照あるいは比較すべきプログラム]
vplot (spiral.profs)

目次へ

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PROFIMG

     -- 画像上の任意の直線に沿った輝度分布プロファイルを計算する

[使用法]
profimg image profile x y

[パラメータ]

[説明]
起動後のメッセージに従って御使用下さい。

[例]

[バグあるいは制限]

[参照あるいは比較すべきプログラム]

目次へ

--------------------------------------------------------------------------------

VPLOT

     -- vprof によって得られたプロファイルをディスプレーに図示する

[使用法]
vplot

[パラメータ]
なし

[説明]
vprof プログラムによって得られたプロファイルを図示するためのプログラムです。
輝度分布、位置角、偏平率のグラフが描けます。また輝度プロファイルの
decompositionも可能です。

最初に MODE をきいてきますが、通常はただ enter キーを叩いてください。
プロファイルの名前は拡張子 .pr が仮定されています。従って、n3379.pr のグラフを
描く場合は、単にn3379 と入力してください。また、拡張子 .pub はプロファイルの
ライブラリ用に予約されています。.pub ファイルは .pr のファイルが沢山入った
ものです。

グラフは最初に、横軸を中心からの平均距離(楕円の長短半径の幾何平均;sqrt(ab))
縦軸を表面輝度としたものが画面に表示されます。

コマンドを入力することにより、以下のような操作ができます。

        [a]             ファイルを変更します(そのとき表示されているグラフは
            そのまま表示されます)
        [c]             ファイルを変更します(それまで表示されていたグラフは
            上書きされます)
        [d]             プロットを削除します
        [g]             同じファイル内でデータを変更します( .pub ファイルに
            のみ有効です)
        [h]             ハードコピーを取ります
        [k]             グラフの種類を変更します
              ( +10 = 楕円率        +20 = 位置角 )
                                1 = 長軸            2 = 長軸(対数)
                3 = (長軸)^(1/4)    4 = 平均
                5 = 平均(対数)    6 = (平均)^(1/4)
                7 = 表面輝度
        [m]             最初のモード変更に戻ります(PLOFILE/COMPARISON)
        [p]             現在のグラフを再プロットします
    [q]             このプログラムを終了します
        [t]             現在のプロファイルを表示します
        [v]             モデルによるフィッティングを行います
        [x]             x軸のスケールを変更します
        [y]             y軸のスケールを変更します
        [z]             等級をシフトします(差分)
        [0]             デフォルトのプロットスケールに戻します
        [.]             プロットの形を変更します
        [?]             ヘルプを表示します

[例]

[バグあるいは制限]
現在インタラクティブ処理しかサポートしていません。
10本迄のプロファイルが一度に表示できるはずですが、何故か5本くらいまでしか
ちゃんと動きません。

[参照あるいは比較すべきプログラム]

目次へ

--------------------------------------------------------------------------------

VPROF

-- アイソフォトの楕円近似によって(楕円)銀河のプロファイルを求める。

[使用法]
vprof image profile x y radius

[パラメータ]

[説明]
銀河のコントアを楕円近似することによってプロファイルを求めるプログラムです。
独立変数は楕円の長半径であり、これを0から1ピクセルずつ増しながら計算を進めます。
一番最初のiterationにおいては、コントアをひとつ前の(1ピクセル小さい)コントア
に修正を加えることにより求めていきます。2回目からは1つ前のiterationにおける
同じ半径のコントアに修正を加えることによって近似を高めていきます。
近似の良否は画面に表示されるFourier係数の大きさによってチェックできるように
なっています。

計算結果はファイルに出力され、vplot ルーチンにより図示することができます。

S. M. Kent 等により開発され、T. Lauer 等により Vista の上で改良されたプログラム
を、M. Hamabe, J. Kormendy がさらに発展させたものを、Sun に移植しました。
Hamabe-Kormendy version を移植するさいのデバッグが未だ不十分です。

[例]

[バグあるいは制限]

[参照あるいは比較すべきプログラム]
vplot

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[補足] ds9 を使ったRegionファイルの作成方法

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SPIRALのインストールの仕方

(Last update: 1999-10-31)

(以下の文章はまだ不完全かも知れません.誤り等を発見されましたら、是非、 浜部まで御一報ください)

SPIRALの作り方

  1. PGPLOTが installされていなければinstallして下さい。
    この版のSPIRALはPGPLOTに強く依存しており、 しかもV.5.2.0以降の版が必要です。
    (ライブラリを使用するだけなので、systemにinstallする必要はありません)

  2. CFITSIOがinstallされていなければ installして下さい。
    CFITSIOはv2.032以降のものを使って下さい。
    古いバージョンのものについては動作を保証できません。

    (以下の作業はirafのアカウントで行なって下さい)

  3. SPIRALの最新版をここから 入手してください。

  4. まず全てのファイルをしかるべきディレクトリに置いて下さい。

    例) もしも、/iraf/extern というdirectoryにinstallするなら

    
         % su iraf  (IRAF管理者用IDを使用して下さい)
         % cd /iraf/extern (以下ではここにインストールと仮定します)
         % gzip -cd /xxx/spiral???.tar.gz | tar xvf -
         % ln -s spiral??? spiral
                (上記の???の部分はバージョンで異なります)
    
    
    また、同じところに、
    spiral.bin.sun (Sunの場合) または spiral.bin.linux (Linuxの場合),
    あるいは
    spiral.bin.fbsd (FreeBSDの場合)
    というディレクトリを作り、
    さらにspiralディレクトリ中のbinがそこを指すようにリンクを張って下さい。

    例)

    
         % mkdir /iraf/extern/spiral.bin.sun (Sunの場合)
    	      または
           mkdir /iraf/extern/spiral.bin.linux (Linuxの場合)
    	      または
           mkdir /iraf/extern/spiral.bin.fbsd (FreeBSDの場合)
         % cd spiral
         % rm bin
         % ln -s ../spiral.bin.sun bin (Sunの場合)
    	      または
           ln -s ../spiral.bin.linux bin (Linuxの場合)
    	      または
           ln -s ../spiral.bin.fbsd bin (FreeBSDの場合)
    
    

  5. 次にサブディレクトリの src に移って下さい。

  6. src ディレクトリのファイル
    
       Makefile_***, ISOPHOTES.INC, SPIRAL.INC 
    
    
    をチェックし必要に応じてエディットして下さい。
    MakefileはSunOS用、Solaris用、Linux用およびFreeBSD用があります。
    FreeBSD用のものは最近改訂していません。Linux用のもの を参考に適宜修正していただく必要があります
    Makefile については、パス(path)の設定だけで OK だと思います。
    lib/にもMakefileがありますが、X11のincludeファイルのパスの 設定に注意して下さい。

    ISOPHOTES.INC は多分変更する必要がありません。

    SPIRAL.INC はサイトに応じて変更しなくてはいけないはずです。
    (*) これらのインクルードファイルの変更は、Linux版では反映されません。
    もしも変更が必要と思われましたら、grep 等を用いて変更の必要な Cのソースファイル(*.c)を探し、直接そのファイルを修正して下さい。

    longo.ubvmag はCDS7167.catalogという名前でCatalogディレクトリに含まれており、 更にlongo.ubvmagからのsymbolic linkになっています。 また、wedge.logi も Catalog ディレクトリにあります。

  7. CleanMeというスクリプトを実行してから、 MakeMeAllというスクリプトを 実行して下さい。
    コンパイルして実行形式のプログラムを作り、更にそれらの実行形式のファイルが bin ディレクトリに移されます。

    ##### Solarisをお使いで、SunFortranをお持ちでなく g77を 御使用の場合は、

                      MakeMeAll  g77
    
    としてください

  8. 次に、IRAF の中から使えるようにするための設定を行ないます。
    このためには、IRAF の unix/hlib ディレクトリにある extern.pkg というファイルに以下の2行を加えます。
    
            reset   spiral          = /iraf/extern/spiral/
            task    spiral.pkg      = spiral$spiral.cl
    
    
    もちろん1行目の右辺はしかるべく変更して下さい。
    さらに このあとの reset helpdb .... の部分に
    
            ,spiral$lib/helpdb.mip\
    
    
    も、加えてください。

  9. これで IRAF の中から SPIRAL が使えるはずです。
    お楽しみ下さい。

  10. 日本語マニュアルは廃止し、このHTML版のみにしました。

    (但し、この日本語マニュアルもちゃんと保守できていませんので あまり役には立たないかも知れません)

何かわからないことや困ったことがあったら、東大理天文センターの 浜部にお問い合わせ下さい。

まだまだバグはたくさんあります。 ユーザーの皆さんのレポートをお待ちしています。

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SPIRALタスクの個人用カスタマイズの方法

ここでは、システムの中に installされたSPIRALからprogramを抜きだし、 好きなように変更して使う方法のヒントをお知らせしておきたいと思います。

SPIRAL(多くの場合/iraf/extern/spiral/にinstallされている)から 適当なプログラムをコピーしてお試しください。
(実行形式のファイルとソースの関係等はMakefileを参考にしてください)

##### 下の方法は、SPIRALに関係ない自分のプログラムを IRAFの中でタスクとして使う場合にも応用できます。

例えば、IRAFの中でtaskとして使いたいプログラムmyprogがあるとして それが /home/mhamabe/progs にあるとします。また、このプログラムは PGPLOTとCFITSIOとSPIRALのライブラリを使っていると仮定します。 (面倒なので、OSは Solaris2.xを想定します)

この時、Makefileは例えば、myprogのソースが myprog.f mysubs.f であるとして、


     FC = f77

     LIBSPIRAL = /iraf/extern/spiral/src/lib/libspiral.a

     LIBWIND = -L/usr/openwin/lib -lX11 -lm -lsocket -lnsl

     LIBPGPLOT= /usr/local/lib/libpgplot.a 

     LIBFITSIO= /usr/local/lib/libcfitsio.a

     LIBS = $(LIBSPIRAL) $(LIBPGPLOT) $(LIBWIND) $(LIBFITSIO)

     all: myprog.e

     myprog.e : myprog.f mysubs.f 
           $(FC) $(COPT) -o myprog.e myprog.f mysubs.f $(LIBS)

          最後の行の$(FC)の行の最初の空白はTABでないといけません。

という感じで良いと思います。(もちろんpathは環境に応じて変える)

また、このプログラムに対応した cl 例えば myprog.clを


     procedure  myprog (image)

     file    image     {prompt='input images'}
     bool    magscale  {no,prompt='display level is mag-scale? no=linear'}

     begin
	task $progbin=("$/home/mhamabe/progs/myprog.e $(*)" )
	   progbin (image, magscale)
     end

という感じで作ります。

##### CL scriptの書き方については、IRAF Cookbookの洞口先生の記事を 参考にしてください。

上記の場合、myprogは、必須の引数として image、オプションの引数として magscaleをとると仮定しています。
(myprogの実行形式ファイルは、/home/mhamabe/progs/myprog.eです)

更に、login.clには


        task    myprog = /home/mhamabe/progs/myprog.cl
という1行を加えておきます。
メニューには出て来ませんが、これで myprogが IRAFの中から使えます

##### 間違い等あれば お知らせください。 (一応は実験して見ましたが...)

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連絡先

日本女子大学 理学部 数物科学科
浜部 勝
TEL: 03-5981-3620/3603
FAX: 03-5981-3602
E-mail: hamabe@fc.jwu.ac.jp

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